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今さら聞けない!社内印刷をすると余白ができる理由とは

本記事を書くきっかけ

日々社内の様々な資料や販促物を作成するインハウスデザイナーの筆者が良く言われる言葉があります。

「これフチに余白ができてしまうんだけど、余白をなくして印刷することはできますか?」

資料を会社のプリンターで印刷したり、取引先へデザインの試し刷りを依頼した際などに、似たような質問をされた経験はありませんか?

この余白というのは、紙面のフチにインクやトナーが乗らず白色のまま印刷されてしまう状態のことを指します。
一般的な会社で使われる複合機、事務作業用のプリンターというのは、コストの低さや大量印刷のパフォーマンスなどを考慮して、レーザープリントが採用されることが多いです。

結論を言ってしまうと、ほとんどのレーザープリント対応のプリンターにおいて、普通紙に印刷をする場合余白を消すことはできません。
インクジェット対応の一部の複合機にはフチなし印刷対応のものが存在しますが、大量印刷には不向きな場合がほとんどです。

デザインの知識として一般的な手法は、トンボを付けて断裁…といった流れになりますが、それらの作業を専門職ではない人に試してもらうのは現実的とは言えません。

「インクジェット?レーザープリント?どうにか工夫してフチなしで印刷はできないのか。」

そんな質問への回答にお困りになった経験がある方へ、本記事では今更聞けない基礎的なプリンターの知識と、
社内でフチなし印刷をお願いされた際の、個人的な最適解について書いていこうと思います。

レーザープリントとインクジェットの違い

先ほどレーザープリントではフチなし印刷はできないと書きましたが、そもそもこれはプリンターの構造上そうせざるを得ない理由があります。

レーザープリントの仕組み

レーザープリントは粉末状のトナーを紙面に塗布・圧着をすることで印刷を行います。原理をカンタンに説明すると、洋服にワッペンをアイロンがけして熱圧着させるイメージに近いです。この粉末状のトナーを塗布する際に、プリンター内がトナーで汚染されることを防ぐため、用紙の周囲にある程度の余白が必要となるわけです。プラモデルの塗装の際にマスキングテープを張るのと似ていますね(例えが多くすみません…)

インクジェットの仕組み

液体インクを用いて紙面に印刷するインクジェットの場合は、上記のようなことは起こらずフチなし印刷が可能なプリンターも存在します。
しかし、ほとんどのプリンターで塗り足しを考慮した自動処理がされるため、少し拡大されたデザインで印刷されたり、意図していないトリミング処理がされる場合があります。(塗り足しの考え方については、いつか別の記事を書こうと思います。)

社内でフチなし印刷を頼まれたら

これらの内容を踏まえ、社内でフチなし印刷を依頼された際に考えられる選択肢は

1 依頼者に仕様を説明して、フチの余白を許容してもらう

社内のプリンターがレーザープリントのみ対応の一般的な機種の場合、できないことを丁寧に説明し理解してもらいましょう。

2 トンボを付けたデザインデータを作成し、社内印刷後断裁機でカットする

社内に断裁機がある場合におすすめの方法です。大量印刷の場合時間も体力も使いますが、社内資料用にデザインを試し刷りする場合はとても有効です。

3 クオリティを優先して、印刷所へ発注をする

費用はもちろんかかりますが、きれいで上質な印刷を目指したいのであれば、事務用のプリンターではなく、業者用のプリンターで印刷を注文するのが得策と言えます。

以上の中から、依頼の経緯や予算をヒアリングして、最適な手段を選ぶのが良いと考えています。

まとめ

いかがだったでしょうか。筆者の場合、プレゼン資料など大量の部数を依頼された場合は【1】【3】を、デザインの確認、入稿前の試し刷りは【2】を選ぶことが多いです。
社内のスタッフや取引先から社内印刷について相談された時、または印刷物の試し刷りや入稿先を検討する際に本記事が少しでも役立つと幸いです。

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