ChatGPT勉強会&生成系AI LT大会を開催しました!
こんにちは。 技術戦略部のあずまです。
先日、社内でChatGPT勉強会&生成系AI LT大会を開催しましたので、その様子を今回はお伝えしたいと思います。
弊社ラクーンホールディングスでは、日ごろから多数の勉強会が開催されているのですが内容の専門性から全社に告知をして行う勉強会はあまり多くありません。
しかし、今回の勉強会は幅広い職種に活かせる内容と言う事で全社的に告知を行いました。
最終的に集まった人数は120名以上(出席+ウェビナー参加)で任意参加の勉強会としては過去最大級のイベントとなりました。
ChatGPT勉強会
まず初めのChatGPT勉強会では、私、あずまが「今日から始めるChatGPTの使い方と活用例」をテーマに発表しました。
便利な使い方の共有はもちろんのこと、ChatGPTを使用するうえで重要な、SiriやAlexaに代表されるAIアシスタントとの違い(最新情報に弱い、天気などは分からない)といったことや、ファクトチェック・機密情報取り扱いの注意など今後仕事に活用するとなったときに注意が必要なことの共有を行いました。
生成系AI LT大会
次に行われたのが目玉コンテンツの生成系AIのLT大会です。
五名の登壇者がそれぞれ生成系AIをテーマに5分ほどのプレゼンで競う大会で、優勝者にはChatGPTの有料プラン「ChatGPT Plus」が贈呈されます。
優勝者を決める方法として1人1票の参加者投票に加えて、今回はChatGPTの勉強会と言う事もあり、事前に登壇者に用意していただいたLTの要約をもとにChatGPTに20点満点のAI票を付けてもらいました。
1人目
まずトップバッターが2年目のMさん。
「ChatGPTで文章をまとめる」というテーマのLTで、ChatGPTとの会話を最後に体裁の整ったマークダウン形式にまとめる方法を紹介されていました。
ChatGPTとの会話内容をまるごとコピペしてる方も多いと思いますが、ChatGPTの会話の終わりに
これまでの会話をマークダウンでまとめてください。
出力はコードブロックで、コピペできる形式にしてください
必要であれば表にしてください。
と記載すると下記のような返答が出力されます。
今まで要約を人力で作られていた方には役立つ時短テクニックではないでしょうか?
2人目
続いて技術戦略部のKさん。
「文章の分類はChatGPTにやらせよう!」をテーマに「ちくちく言葉」を含むメールに対してラベル付けを行うデモとプレゼンを紹介されていました。
今回のLTの中では唯一実際に動くデモを用意されており、実際に活用する例がイメージできるLTでした。
よくあるフィルタとしては、NGワードリストを用意してその単語に引っかかっていれば警告を出したり、それぞれのちくちく言葉に重み付けして評価するといった物ですが、「ぶぶ漬けいかがどすか」はなかなか従来のフィルタでは対応が難しそうです。
アーキテクチャはこちら。
実際の分類結果も紹介され、
その後の質疑応答では会場から分類の精度や方法に関しての質問が上がったほか、在宅勤務や執務フロアからTeamsで参加されている方の意見がslackチャンネル上に流れておりました。
プロンプト例はこちらです。
# 優先事項1
以下のメールの攻撃性を0~10の範囲で分析してください。
また、そう判断した理由と攻撃性の値を以下のフォーマットに従って出力してください。
フォーマットに示されてない情報は絶対に返信しないでください。
```
{
"attackScore": 0,
"reasons": [
"判断理由1",
"判断理由2"
]
}
```前後の文脈などは無視しても問題ありません。
# 優先事項2
メールに含まれる攻撃性を以下の基準で判定してください。
上にかかれているものほど、攻撃性が高いです。文章が直接的に攻撃的な意味を持つ
文章が間接的に攻撃的な意味を持つ
文章に批判的な意味を持つ単語が含まれている
文章を読者が読んだときに悲しみを受ける文章が書かれている# 分類の例
あなたは今すぐ謝るべきだ: 文章が直接的に攻撃的な意味を持つ
いい値段しますね: 文章が間接的に攻撃的な意味を持つ
会社を辞めたい: 文章を読者が読んだときに悲しみを受ける文章が書かれている
成果物に問題がある: 文章が直接的に攻撃的な意味を持つ
わざわざありがとうございます: 文章が間接的に攻撃的な意味を持つ
くだらない: 文章に批判的な意味を持つ単語が含まれている
あなたの仕事はいい加減だ: 文章を読者が読んだときに悲しみを受ける文章が書かれているステップバイステップで考えてみましょう。
※分類の例示のために過激な表現がプロンプトに含まれていたため一部削除しております。
3人目
折り返しの3番手が今回唯一技術戦略部以外からの登壇者のTさんです。
テーマは「文章作成の3~7くらいまでを生成AIにお願いする方法」で、文章などの作成プロセスのうち、どこからどこまでをChatGPTに任せるのが良いか、具体例付で紹介されていました。
私もやってしまっていたのですが、ChatGPTに何かしてもらうとき、ついすべて丸投げ(1~10まで)してしまいがちです。
カスタムインタラクションを使用した文字表記の修正では、前もってChatGPTに漢字の用法などのルールを伝えて置き、人間が書いた文章を修正してもらうデモの紹介がされていました。
使用されたプロンプトは下記です。(カスタムインタラクションに設定)
下記表現は修正対象ですので事前に指定した形にしてください
申立て→申し立て
上げる→あげる
挙げ→あげ
1か月・1か月→1ヵ月(月数を表す「か」はヵ)
基づく→もとづく
また、自分で作成した文章が読みやすい文章なのか、書いているうちにわからなくなってしまう事は多々あるかと思いますが、「下記の文章を読みやすくしてください」というプロンプトの後に文章を渡すことで、言い回しを変更して読みやすくした案を提示してくれる利用法が挙げられていました。
便利な使い方だけではなく、丸投げすることでGoogleのポリシー違反になることがあることなどご紹介いただきとても勉強になりました。
4人目
4番手は1年目のOさんです。
テーマは「ChatGPTの壁打ち活用」で、実際にOさんが行っているChatGPTとの壁打ちを紹介しました。
Oさんは友人から無償でECサイトを作ってくれないかと相談されたそうなのですが、それを受けるべきか、受けるならどうするべきなのかを対話でChatGPTに相談したとのことでした。
実際、ChatGPTからは契約書を交わして有償で行うべきだとのアドバイスをもらい、その後の判断に役立ったそうです。
新卒1年目のOさんですが、堂々としたプレゼンで勉強になりつつ笑いありの5分間となりました。
質疑応答で、「社内の誰かに相談するのに比べてChatGPTへの質問は優れていると感じるか?」という質問が上がったのですが、「既に優れている」という回答にOさんのブラザーはすこしさみしそうでした。
(ブラザーとは弊社の新卒教育制度の一つで、新卒一人につき1人の既存社員が1年間教育係として就く制度です。詳しく弊社の新卒研修について知りたい方は下記記事をご覧ください。
https://techblog.raccoon.ne.jp/archives/1671782824.html)
実際に使用されたプロンプトはこちらです。
## カスタム指示
### ChatGPTにあなたについて何を知らせれば、より良い応答を提供できると思いますか?
私は○○な人です。
私の目標は○○することです。
私の長所は○○です
私の短所は○○です
私は自分の意見を持っている人に好感をいだきます
## ChatGPTにあなたについて何を知らせれば、より良い応答を提供できると思いますか?
あなたは○○の専門家です。
あなたはステップバイステップに考えます。
あなたは落ち着いて深呼吸をしながら考えます。
あなたの目的は私の主張と論理に反論すると言う事です
5人目
そして最後が技術戦略部のNさんです。
テーマは「生成系aiの用途別の選び方について」で、ChatGPT以外の生成AIについてご紹介頂きました。
紹介されたのは下記のAIです。
- Stable Diffusion + Piccaso AI
- CoDeF(Content Deformation Field)
- Voicebox
生成系AI=chatGPTではなく、いろいろな選択肢があることを共有していただきました。
結果発表
以上5名の方の中から、栄えある1位に選ばれたのは・・・
技術戦略部 1年目 Oさんでした!
Oさんおめでとうございます。
まとめ
生成系AIの勉強会は初めての試みでしたが、全社的な注目度の高さがわかる盛り上がりとなりました。
AIの分野は成長が早い分野のため、今後も同様の勉強会を定期開催して流れに乗り遅れないようにしていきたいです。
さて、ラクーングループでは現在一緒に働く仲間を大募集中です!
今回の勉強会は新卒2年目社員を中心に企画、準備、設営まで行いました。
若手でも立候補すれば100人規模のイベントを任せてもらえる環境は、積極的に動いて働きたい方には魅力的に見えるのではないでしょうか?
少しでも興味がある方は是非、下記リンクからエントリーお待ちしております!
https://www.raccoon.ne.jp/company/recruit/jobs_engineer_new.html