デザイナーも知っておこう「相手が行動するプレゼン資料」
こんにちは、デザイン戦略部デザイナーのウータンです。
私たちデザイナーは、他の部署メンバーが作り上げたプレゼン資料のデザイン添削を行う機会がときどきあります。
作業内容としては、まず見やすい状態にするためにデザインルールを作ります。あとは決めたルール通りに実際にレイアウトを行います。つまり、見た目を綺麗にするだけの作業に留まっています。インハウスデザイナーならば、もう一歩踏み込んでプレゼンの目的や結果を意識したデザイン業務を心掛けたいですよね。…というわけで、改めてプレゼンテーションの基本的なことについて学習したので、私なりのまとめを紹介します。
ビジネスにおいての「プレゼンテーション」とは
聴き手の立場に立って要望を認識し、知りたい情報を伝えて共感してもらい、行動を促すことです。
聴き手主体と自分主体の違い
自分主体の発信は「スピーチ」です。それに対して、プレゼンテーションは聴き手が主体であるといことを最後まで忘れないようにしましょう。
1.「誰に」「どうしてほしいか」目的を明確にする
これらがブレると内容が散漫になりやすいので、しっかり固めましょう。
意思決定者であるターゲットを定める
ターゲットのタイプによって、重要視するポイントが異なるため、相手を具体化しておきましょう。
たとえば、数字にシビアな方と現場主義の情熱的な方とでは、プレゼン内容の切り口を変えた方が効果的なので、資料の内容も変わってくるでしょう。
その人の状況を把握する
抱えている課題は何か?何を求めてるのか?それに対して自分が応えられることは何か?だから「どうしてほしい」と繋げて考えていきましょう。
もし、「どうしてほしい」が強制的になり過ぎてしまう場合は、ターゲットの気持ちを尊重して複数の選択肢を用意しましょう。
2「どう伝えるか」ストーリーを考える
目的をどのように達成するか、実際に考えていきます。
基本構成
背景>課題>解決策>効果
この冒頭に「タイトル、サマリー」、最後に「結論」を加えれば資料として完成します。
サマリーは、要約・概要を記載します。これがあることで聴き手は最初の時点でおおまかな内容を把握できるため、その後に続く内容の理解がしやすくなります。
手書きで全体像を描く
いきなり作り込むのではなく、最初は手書きで全体の構成を描きましょう。
順番を入れ替えたり、内容を差し替えたり、ブラッシュアップを行い、アイデアを固めていきます。
写真素材があった方が効果的な場面は、そのイメージも入れていきましょう。
10秒以内に「わかりやすい」と思わせる
パッと見た瞬間の印象はとても重要です。聴き手は「わかりにくい」と感じてしまうと、そこで気持ちが途切れてしまうため、後の結果に影響を及ぼします。
- 1ページ1メッセージに限定する
- 情報量を絞る
3.内容に適したフォーマットを選ぶ
フォーマットは大きく分けて「箇条書き・図解・グラフ」の3種です。
内容が出揃ったら、それぞれに適したフォーマットを選んで当て込んでみましょう。
箇条書き
- シンプルで作りやすいのがメリット
- 何についての箇条書きか小見出しを付ける
- 1文は短くまとめる(たとえば「40文字以内」という具体的な文字数の制約をつけて考えるようにすることで、文章の分け方や言葉選びのセンスに磨きがかかるそうです。)
図解
- 瞬間的に内容を把握しやすく、感覚的に論理を理解できるのがメリット
- 図解の基本パターンは6種
グラフ
- 定量的なデータを示したい場合はグラフで表現する
4.文章を考えるときのコツ
タイトル
- 短くまとめる(人が一度に知覚できる文字数は13文字と言われています。)
- 主張を入れない
- 体言止めにする
- 主語を明確にする
文章全般
- 誰でも理解できる言葉を使う
- タイトルに調査結果や実績数値を入れる
- 曖昧な表現を使わない(など・さまざまな・これ・それ・あれ・どれ)
- 長い文章にはしない(ただし、配布資料は一人歩きするため、誤解が起こらないような内容にしなければならないが、それでも50文字以内を目安とする。それ以上は本編ではなく、別途補足資料をまとめましょう。)
- 同じ言葉や内容を繰り返さない(文字量を必要最小限にするためです。)
- 背景を説明した上で効果を伝えること
- 判断しやすいように伝える工夫をする
物事を明確に具体化して伝える
「5W1H」を盛り込む
When「いつ(時間)」
Where「どこで(場所)」
Who「だれが(主体)」
What「なにを(目的・人・モノ)」
Why「なぜ(理由)」
How「どのように(手段・方法)」
さいごに
いかがでしたでしょうか。
とてもベーシックな内容ではありましたが、私がこれまでに関わった資料を思い返すと、どれも改善の余地があることに気が付きました。私たちデザイナーはプレゼンテーションのプロではありませんが、何を成し遂げたいのかという目的に即したデザインを考える必要があります。そして、実際に心掛けひとつで結果を好転させる行動をいつでも取ることができるのではないでしょうか。
このまとめがすべてではありません。近年さらにプレゼン力を求められるようになってきていることや、時代による表現の変化もあります。引き続き学習して業務に生かしていきたいと思います!