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格安サーバで作る ESXi+NFS(ZFS) の仮想マシン環境(1)

先日、早めの夏休みで青島(チンタオ)にビールを飲みに行って来ましたインフラエンジニアのETOです。
弊社は旅行好きの人が多いため、旅行休暇を取りやすいので助かっています。
旅行好きな方は是非弊社で一緒に働きましょう。ご検討ください。
さて、長期間休みを取る際にいつも気になるのは、自分がいない間のサーバ故障の発生です。
当然ながら冗長化ができている公開系に比べると、どうしても対策が後回しになりがちな開発系や、
ちょっとした社内サーバがこういう時に限って壊れたりするものです。
 
「あー壊れちゃいましたね」では済まないインフラエンジニアとしてはいつも余裕を持ったリソースを確保しておきたいものですが、なかなか(主にコスト絡みで)そうはいきません。
 
そこで同じような悩みを抱える諸兄におすすめしたいのが今回のお題、
「格安サーバで作る ESXi+NFS の仮想マシン環境」です。
・目指すところ
安く手軽に"実用的"な仮想サーバ環境を手に入れるのが目的です。
実サーバのバックアップや、故障時の緊急避難先などに大活躍!当然本運用も可能です。
ZFSベースのNFS外部ストレージも自作することでデータの保全性も同時に確保してしまいましょう。

・用意するもの

各サーバ機として、HP社のML110G7を2台使います。
格安サーバとして2万円以下で手に入るコストパフォーマンス抜群のサーバ機です。
これにメモリとHDDを追加します。余っているものがあればそれを流用しても構わないと思います。

今回の具体的なハード&ソフトウェア構成は以下になります。
 ・仮想マシンホストサーバ
  OS:ESXi5.0U1
  ハード: HP ML110G7 
      メモリ 16GB
      USBメモリ起動 8GB
      HDD ナシ ZEROスピンドル!

 ・NFS外部ストレージサーバ
  OS:openindiana 151a
  ハード: HP ML110G7
      メモリ 8GB
      USBメモリ起動 8GB
      HDD 2TB*4

詳細は伏せますが、全部あわせても10万円かからない金額で調達しました。
現在はもっと安いかもしれません。

・構成図 
このような構成で構築します。
kousei

突然ですがQ&A。

Q:なぜKVMではなくESXiなの?
A:無料で使えるGUIの管理ツールが揃っていて楽だからです!
 
これだけだと色々と反論を受けそうですので補足。
やはりVMware社の企業として統一されたポリシーで作られている以下のツール群の使い勝手が良いため、KVMなどと比べるとアドバンテージがあると思っています。
  • VMware vSphere Client(管理コンソール)
  • VMware vCenter Converter Standalone(P2Vツール)
Q:なぜローカルディスクにしないの?
A:ESXiで"実用になる"RAIDカードが高いからです。

ESXiではソフトウェアRAIDや廉価なオンボード系のRAIDが使えません。
また、RAIDカードは原則的にデータ保護のためにHDDのキャッシュを無効化するため、
キャッシュメモリ未搭載の安いRAIDカードを使うととても遅くて実用に耐えません。
※この点においてはLinuxで使えるRAID構成をそのままストレージとして使えるKVMにアドバンテージがあるのですがそれはまた別の話。

いくらお手軽環境 とはいえ「HDDが壊れたらデータが飛びました」ではお話にならないのは言うまでもありません。

しかしご安心を。ESXiではNFSやiSCSIを利用することで、ネットワーク越しの外部ストレージに仮想マシンイメージを置くことが可能になっていますので、今回はZFSベースのNFS外部ストレージを作り、最低限+αくらいのデータの保全性を確保したいと思います。 

Q:ZFSってなに?
A:主にSolarisやFreeBSDで使える次世代ファイルシステムです。
旧Sun社(Oracle社に買収されました)により開発された次世代ファイルシステムです。様々な仕組みで信頼性と性能を向上させているため、高価なストレージシステムを買わなくても耐障害性の高い高速なストレージ環境を手に入れることができます。
今回はZFSのソフトウェアRAIDでNFS外部ストレージを構築します。ZFSについて詳しく知りたい方はOracle社のドキュメントをご覧ください。 
Q:なぜiSCSIじゃなくてNFSなの?
A:取り回しが楽だからです。
「今時NFSはないだろう」とか「ESXiなら普通はiSCSIでしょう」とかいう声が聞こえてきますが、今回は性能を求めるわけではないので多少のオーバーヘッドは無視してNFSを選択します。
皆さんご存知の通り、NFSは取り回しが楽ちんで素敵です。偉い人にはそれがわからんのです。
諸々ご納得いただけたでしょうか。
さて、次回から実際の構築に入って行きたいと思います。
「格安サーバで作る ESXi+NFS(ZFS) の仮想マシン環境」(2)へ続きます
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