「技術的負債返済ロードマップ」の作り方
Paid開発担当の長谷川です
近ごろ盛んに「技術的負債」という単語を聞くようになりましたよね。会社から「技術的負債を解消せよ」なんてミッションを課せられた人も多いのではないでしょうか。でも実際どうやって進めていけばいいのか具体的な情報もなくイメージしずらいかと思います。
私が担当するPaidもローンチから既に12年が経っており、その間に積もりに積もった技術的負債が開発生産性の足かせになっています。この技術的負債を何とか返済し開発生産性を向上させるために、技術的負債返済の計画「負債返済ロードマップ」を作成しました。今回はその「負債返済ロードマップ」をどのように作成したかをご紹介させていただきます。
「負債返済ロードマップ」作成は、おおよそ以下の流れで進めました。
- 1.負債を洗い出す
- 2.洗い出した負債の解消方法を検討する
- 3.負債を仕分けする
- 4.負債に優先順位をつける
- 5.ロードマップを作成する
なお、計画作成は開発チーム内から5名ほどのメンバーを招集し「負債返済タスクフォース」を結成して進めていきました。
それでは項目ごとに詳しく説明していきます。
1. 負債を洗い出す
タスクフォースメンバーそれぞれが技術的負債を貼り出していきます。
(その場ですぐに出すのは難しいので、各自で会議前までに事前に行っておきます)
- ex) 古いフレームワークを使用していて開発スピードが上がらない
- ex) 既に利用されなくなった機能がガベージとして残っている
貼り出された内容について全員で確認し詳細を明らかにします。
負債を種類ごとにグルーピングすると整理され理解しやすくなります。
2. 洗い出した負債の解消方法を検討する
洗い出された各負債に対し、全員で解消する方法を検討します。
- ex) 古いフレームワークを使用していて開発スピードが上がらない
- → 新しいフレームワークを使った新システムに移行する
- ex) 既に利用されなくなった機能がガベージとして残っている
- → 利用されていない機能を削除する
3. 負債を仕分けする
負債を「対応コスト」「開発生産性への効果」の2軸で仕分けします。
4. 負債に優先順位をつける
仕分けの結果を元に優先順位を付けます。
まずは3の仕分けで利用した表の右下(対応コスト:最低、開発生産性への効果:最高)から近い位置にあるものから順に機械的に並べます。
並べ終わったらみんなで全体を見返し、話し合いながら優先順位を入れ替えていきます。(この並べ替えはメンバーの経験からくる直感に頼ります)
5. ロードマップを作成する
各負債の返済に必要な作業の見積もりを行います。(概算レベル)
見積もり後、優先順位に従ってロードマップを作成します。
最後に、負債返済作業に割けるリソース量を計算に入れ、年間の計画を作成します
(今回は直近1年分だけ詳細な計画を立て、2年目以降については実行の優先順位だけを決める形としました)
以上、Paidで行った「負債返済ロードマップ」作成のご紹介でした。
プロダクトの成長を加速させられるよう、Paid開発チームはこの計画を元に技術的負債の返済を積極的に進めていきます!
最後に、ラクーンホールディングスでは一緒に働いていただけるデザイナー・エンジニアを募集中です!
ご興味ありましたらぜひご応募ください。お待ちしております!