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スクラム体制での制作振り返り デザイン部視点

はじめまして、デザイン戦略部チームリーダー増田です。
ここ数か月間、スクラム体制での制作を行うことになりました。
スクラムといえば開発・エンジニアの人が行うものという認識が強いと思いますが、
今回はデザインサイドとしてスクラムに関わった感想を記事にしてみます。

なぜスクラム体制に?

・社内の制作リソースの配置変更があり、一つの事業部門に一つのチーム(開発・デザイン)が割り当たる形式に変更になった。
・スクラムでの制作・開発行いたいという社内要望があった。
・柔軟な制作体制の需要があった。

結果「事業部」「開発」「デザイン」の3部門間でスクラム体制での制作を実施することになった。

まえがき

本記事でのスクラム体制について

本格的なスクラム体制というよりは、MTGの時間などを削減しコンパクトな運用で実施を行うことにした。

スクラムで対応する範囲

一つのプロジェクトだけでなく、WEBサービスに関わる改善タスク、メンテナンス、日々のルーティーン業務などもこの体制内で解決することとしている。

デザイン戦略部の担当領域

「グラフィックデザイン」「UIデザイン」「フロントエンドコーディング」「印刷物」など

「要望」とは

制作・開発に関する依頼だけでなく、相談ごと、細かなタスクなどを「要望」として一覧管理することにしている。

スクラム体制

MTG体制

デイリースプリント(毎日 20分ほど) ※対応中の「要望」に関わる人が全員参加
スプリントセレモニー(週に1回 1時間半ほど) ※ここでは「事業部」「デザイン」「開発」 全員参加

スプリントセレモニーの内訳

  1. 対応中のタスクの進捗確認
  2. 対応が完了したタスクの内容確認・共有
  3. KPT
  4. 次のスプリント(1週間)の対応計画決め
  5. 新しく上がった要望の確認、要件確認
  6. 新しい要望の対応優先度決め
  7. 対応が決まった要望を担当者に割り振り

要望の起票フロー

  1. 「事業部」から要望があがる
  2. 上がった要望を要望リストへ追加
  3. 要望リストの中身をスプリントセレモニーの中で関係者全員で確認
  4. 要望の対応優先度をつける
  5. 対応優先度の高いものから着手をする
  6. 担当者はスプリントセレモニー内で決める
  7. 日々の進捗はデイリースプリントで行う

このようなサイクルを回していった。
序盤は慣れないため、細かなルールを作ることもあったが、1か月ほどすると皆がスクラム体制のやり方に慣れていった。

結果

この体制で運用を行った結果、こんな声があがった。

実際の声 ※一部抜粋

・制作(対応)のスピードが上がった。
・全体のスケジュールが共有できるようになったので、今まで何をしていたのかが把握しやすくなった。
・すぐに相談ができるようになった。
・目途の立っていなかった要望の対応目途がたてられた。
・施策結果を共有する場ができ、やりがいに繋がった。
・話しかけるハードルが下がった。
・他の人の案件に目をくばることができるようになった。
・業務の見える化が進んだ。

制作側にとってはうれしい意見が多かった。
スクラムの結果と言えばプロダクトの品質向上、ベロシティの向上などがあげられると思うが、
実際の声を聞くとそれだけではない効果が生まれているように感じた。

デザイン部としての振り返り

良かった点

・良いフィードバックを多く得られ、モチベーションアップに繋がった。
・以前は細かなスケジュール調整、細かな共有事項を回すことが多かったが情報共有にかけるコストが減った。
・全体の予定が共有でき、次にくる要望も予測しやすくなった。
・こまめな状況共有ができるのでネガティブな共有もしやすくなった。
・関係者の動きが相互的に分かるので、心理的安全性が生まれる。
・要望が上がる背景の共有もあるので、上流からアサインができる。

課題

・MTG時間は多く割くため制作にかけられる時間がどうしても減少してしまう。
・できない要望には応えられない。

考察

今回の体制を数か月実施してみて、結果としては良い意見が多かったと感じている。
特に変化を感じたのは情報共有面での効果だった。
以前の体制では、複数の要望が常に並行して稼働していたため、一つ一つの動きを追うことが難しく、
細かな情報共有が行き届かないことでのミスコミュニケーションが生まれていた。
今回の体制ではMTGを通じて全員で集まり、その場で課題や要望を共有できたことで共通認識を持つことができ、
コミュニケーションの数も増えることで、成果(対応スピード)に結びつけやすくなったのではないか考えている。
以前と比べてデザイン部側のキャパシティは変わっていなかったが、変わらないリソース量で良い声を得られたことは大きな変化だと感じた。

最後に

当人はスクラムマスターでもなく、POとして今回の件に関わったわけではないが、
制作方法の一つとしてスクラム体制の効果というのを感じた。
昨今でのリモートワークでの仕事ではコミュニケーションがどうしても不足する場合があると思う。
そこでスクラム体制ではコミュニケーションを増やすことができるので試してみるのも良いのではないかと思う。

さて、そんなラクーングループではエンジニア・デザイナーを募集中です。もしご興味を持っていただけましたら、こちらからエントリーお待ちしています!

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