彼女との食事をUX的に考えると面白い、という話
こんにちは。デザイン戦略部のさとぅです。
今回はUXを身近に感じられるエピソードをご紹介したいと思います。
話のポイント
- UX(User Experience)はユーザー体験の意
- ユーザーがサービスやプロダクトに接しているときの体験全体を総称する言葉
- サービスやプロダクトのUXを考えることの重要性は高まっているが、難しいと思われがち
- でもそのユーザーを家族、友人、恋人など身近な人に置き換えて考えると分かりやすい、という話です
例えば、彼女と外食するとしましょう
貴方:「何が食べたい?」
彼女:「麺類が食べたい」「ラーメンかなー」「でも油っぽいのはイヤダ」「熱いのもイヤダ」「和風かな?」
貴方:(わがまま)
彼女の発言を整理してみる
- 「麺類」「ラーメン」「油ダメ」「熱いダメ」
- 「油ダメ」「熱いダメ」=「ラーメン」ではないとなる、ヒントは「和風」で「麺類」
- なるほど、それなら「冷たい蕎麦かな」がいいかも!
貴方:「じゃあ冷たい蕎麦はどう?」
彼女:「蕎麦いいね!行こう!」
貴方:「お店つきましたー」
彼女:「このお店冷房が効いてて寒いね、温かい蕎麦お願いします!」
店主:「おまち!」
ズルズル...
貴方:「どう?」
彼女:「おいしいけど汗かいたなー、やっぱ冷たい蕎麦がよかったわ」
貴方:(わがまま、でもおいしかったならよかった、またこの店に来よう...)
UX的に考えてみる
このやりとりは一見わがままな彼女の話ではありますが、実はUXを考える上で重要な「UXリサーチ」のフローと同じです。
※「UXリサーチ」とは、ユーザーニーズを分析してインサイトを導き出し、UXの質を向上させるための調査のこと
- 「何を食べたいか聞く」 = 「ユーザーインタビューする」
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「発言の整理する」 = 「インタビュー結果の課題を分析する」
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「蕎麦を提案する」 = 「プロトタイプテストをする」
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「お店に行って蕎麦を食べる」 = 「リリースする」
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「食後感想を聞く」 = 「リリース後調査をする」
→UX MILKより「UXリサーチの実施を検討すべき4つのシチュエーション」
このように、彼女とのやり取りをUXリサーチのプロセスに置き換えることができます。
UXリサーチは「ユーザーの満足度を高める」ために考える = 「わがままな彼女を満足させる」ことと考え方は同じなのです。
重要ポイント
☆わがままな彼女
「何が食べたい?」の質問に対してわがままのような矛盾した返答がありましたが、クライアントからの要望やユーザーの声を聞いていると、しばしば似たような現象が起こります。
これは自分の本質が分かっていない状態です。
状況や感情に左右され、直観的に思ったことを言っているだけで本質ではありません。
かと言ってわがままや嘘ではなく本人に悪意はないので、しっかり話を聞いてあげましょう。
この直観的発言がとても重要で本質のヒントが隠れているのです。
発言を整理して紐解いていくことで本質を導き出すことができます。
彼女もUXも同じプロセスで課題解決ができます。
☆やっぱ冷たい蕎麦がよかったわ
彼女は最初「冷たいものが食べたい」と言いつつ、お店が寒いことで温かい蕎麦を選択しました。
彼女(ユーザー)は置かれた環境によって想定しないイレギュラーな行動に出ることがあります。
それを予測するのは困難ですが、今回のケースでは食べる場所がどんな環境でどんな感想を持つか、予め想定することは可能でした。
(グルメサイトのレビューに「エアコンが効きすぎ」と書いてあるかもしれません)
可能な限りあらゆるシチュエーションを想定して準備することは、お店選びもサービスを考える上でも大切です。
まあしかし、結果的に汗をかいて「やっぱ冷たい蕎麦がよかった」という彼女に腹が立ったら...別れましょう。
※ユーザーとは別れたらダメ!
まとめ
このようにUXは彼女との食事のように身近で、日常生活の延長線にあるものです。
難しく考えることはありません。人を思いやる心があれば誰でもできます!
興味を持ったらぜひUXについて調べてみてください。ではでは!